女子中学生の河合ありさは、幼少時は転勤族の両親に連れられて全国各地へ転校を繰り返していたが、兄と二人暮らしをすることで一つの学校に留まっていた。気弱な性格のためか各学校で必ずいじめのターゲットにされ続けていたありさは、クラスメイトからパシリとしてこき使われる惨めな日々を送っていた。道の中央で我が身を嘆き物思いに耽っていたありさは、この辺りで見かけない制服を着た少年の自転車と接触事故を起こしてしまう。幸い双方に怪我はなかったがありさの方に過失があり、少年は「呆けてんなや だらっ!!」と地方の訛りがある罵り言葉を残して去っていった。「だら」とは島根の方言で「馬鹿」という意味だと心当たりがあったが、小学3年生の時に住んでいた島根でのことをよく思い出そうとしてみても何故かありさの記憶には空白ができていた。実はありさの「いじめられっ子」気質は生来のものではなく、島根にいた頃までは正反対の「いじめっ子」気質で各地の小学校にてガキ大将を倒しては力づくでボスの座を奪い取るという獰猛な子供であった。だが何故か、ある日を境にいじめっ子のアリサは消えてしまいありさになった。 翌日、事故相手の少年・八代暁名は転校生としてありさのクラスに現れた。彼はありさの名前を知るや「やっぱり河合アリサだな しおらしいフリしやがって」と一方的に激昂して掴みかかってきた。暁名はアリサが島根にいたころに散々いじめて下僕（しもべ）にしていた相手で、匿名で届けられた怪文書を手がかりに、小学生時代の復讐を行うため転校してきたという。しかし、ありさは暁名を覚えておらず、アリサの悪行も知らない。激怒する暁名相手にひたすら怯えるしかなかったありさは、憧れているクラスメイトの少年・猪神由貴にかばわれてひとまずその場を切り抜けたが、人気のある猪神に公然と守られたことでいじめっ子たちからの反感を買ってしまう。後で複数人に囲まれて激しく罵倒を受けるはめになったありさは、小突かれて階段から落ちそうになった瞬間、数年ぶりにアリサの人格を目覚めさせた。アリサはすぐさまいじめっ子たちを叩きのめし強制的にバンジージャンプさせ、相手の戦意を奪った。 大きなショックを受けるとアリサを目覚めさせてしまうようになったありさは、二つの人格が交互に現れる二重人格者となってしまった。暁名と同じようにして謎の手紙に呼び寄せられたかつての下僕たちと次々に戦うことになり、アリサに頼るだけでなく徐々にありさ自身も強さを獲得していくのだった。